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『レオナルド・ダ・ヴィンチ(上)』を読んで、天才を因数分解する

レオナルド・ダ・ヴィンチ 上

3/29発売の本書。献本いただきました。
上下巻の大作です。
著者はウォルター・アイザックソン。
この名前でピンときた人は読書家ですね。そう、あの名作『スティーブ・ジョブズ 』を書いた著者です。

さて、ダ・ヴィンチの名前を知らない人はいないと思います。
絵が描けることはもちろん、設計もできれば発明もできてしまう、不世出の天才。
そんな風にダ・ヴィンチを認識している人も多いでしょう。
しかし、さすがはアイザックソン。彼を「天才」みたいな括り方はしません。

天才と言われている人も、要素分解してひとつひとつ見ていけば、結局は我々凡人と同じ

というスタンスで貫かれています。

言ってしまえば、伝記という形をした「天才を因数分解した本」なのですね。
そういう意味で、この本はビジネスパーソンにとっても、いろんなビジネスのヒントにあふれています。
純粋にストーリーも楽しめますが、私たちの行動を変えるきっかけになるヒントがたくさん。
まだ上巻しか読めてない(まだ「モナリザ」とか「最後の晩餐」までたどり着いていないw)んですが、ひとまず上巻での発見を言葉にしておきます。



では、天才はどのように因数分解できるのでしょうか?
ここは私の勝手な解釈ですが、「観察」「問い・疑問」「調査・勉強」「描写」「実践」といったキーワードがサイクルとして回っています。
図にするとこんな感じ。

"勝手に解釈!天才の要素分解図"


で、この図でもわかる通り、中心には問い・疑問が来ているわけです。
これが根源的なパワーになってます。

例えば・・・

「鳥の羽を上げる速さは下ろす速さと同じなのか?」
「キツツキの舌はどんな形をしているのか?」
「木の幹の太さは、枝分かれした枝の太さの総和と同じなのか?」
「目を動かす神経はどれか。片方の目が動くと反対の目も動くようにする神経はどれか?」

まずは世の中のこういったことに疑問を持つことから全てのことが回り始めるわけです。

子供の頃に誰でも持っている力。
だから天才ではないんですよ。
それを私たちは、意図して封印してきただけのことで。
その意図を開放できれば、私たちも天才になれる可能性がある!

・・・ってまでは言ってませんが(笑)、この中心の「問い」なくして天才は駆動しない、ということに気づかせてくれます。

そして、もう一つ強調しておきたいのが、「描写」、つまりメモの力。
レオナルドってかなりのメモ魔なんですよね。
アイザックソン曰く、「残っているメモは、ジョブズの伝記を書くときのメールやデジタル文書の割合より高い。」とのこと。
500年以上も経っていることを考えれば、すごいことですよね。
(この本には実際にその手書きのメモがふんだんにカラーで紹介されているのもありがたいところ!)
この手書きメモを見ると、とにかく手を動かして、考えたことを頭の中にとどめないってことの重要性に気づかせてくれます。
これは、つい先日『直感と論理をつなぐ思考法』を読んだばかりなので、かなりタイムリーでした。

ええ、早速真っ白なノートを買いましたよ、わたし。
iPad Proでデジタルで書きゃいいじゃん、と思っていた超絶デジタル派の私も、『直感と論理をつなぐ思考法』と本書を連続で読んで観念しました。
やっぱ、手書きのメモ、すごいわ。
(なぜデジタルじゃダメかは、『直感と論理をつなぐ思考法』を読んでね。)

最後に本書からの一節。

日々目の前の世界に驚きを見出そうとすることで、人生は豊かになるのだ。

この一言いただきました。ありがとうございます。

想像以上の持ち帰りのある大作です。もうすぐ発売!
ゴールデンウィークなど時間があるタイミングでぜひ。

追伸:
アイザックソンに一言。
やっぱり、ダ・ヴィンチは手の届かない天才だと思いました。
すいません(笑)