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高瀬舟

『高瀬舟』



今日はフライヤーの要約に合わせて、森鴎外の『高瀬舟』をお届けします。
この短編小説に描かれているテーマは「知足」問題と「安楽死」問題。 そのうち、知足(足るを知る)に焦点を当てて考えてみます。
ストーリーでは、立場的には恵まれているはずの護送役の庄兵衛の方が、罪人の喜助より不幸を感じているわけです。
他人と比較しながら常に欠落感を感じていると、人生は不幸になっていく。
喜助のように、「足るを知る」ということは、幸福への近道なのです。 しかし、「知足」が行きすぎると、成長を抑圧してしまうことにもなる。
このジレンマを打破する上で大事なことは、まず現状に感謝してから、然る後に成長を志す、という順番なのだと思います。
感謝から入る。しかし、感謝だけで終わらない。 そんなことを、この庄兵衛と喜助の対比から感じることができます。
超短編なので、ぜひ皆さんも読んで、「知足問題」考えてみてください。