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ビジネス書

対談後記:『超時短術』越川慎司さん

仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超・時短術
対談日時:2月25日(火)
場所:フライヤー会議室
対談相手:越川慎司さん



いやはやまさかの学校休校要請。
いろんな意味でシャレにならなくなりました。
この対談は、その数日前に収録したものですが、そのたった数日の間でも、「働き方を変える」という切迫感のレベルが変わったと思います。
そんな中で、期せずして「働き方」ということに焦点を当てたタイムリーな対談でした。

リモートワークも、働き方改革も、時短もそうですが、大事なことは「人間関係」の構築です。
なぜならば、私たちの仕事は意識しないと「余計な気遣い」という表には見えにくい膨大な作業で埋まっていくからです。

そして、リモートワークは、この「余計な気遣い」を加速度的に増やしていきます。
たとえばメール一本打つにしても、CCを誰に入れるかとか、前提をどこまで書くべきかとか、余計なことが気になってしまう。
そんな些細な積み重ねが仕事を増やしていきます。
だからこそ、時短をするならば、もしくはリモートワークを成功させるためには、「余計な気遣い」を生じない人間関係を作らなくてはなりません。

僕が名著だと思う『THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法』には、この職場の人間関係を作るためのポイントとして、

1)エネルギー
アイコンタクトの多さや双方向の会話、雑談の多さ、物理的に距離が近いなど、エネルギーが生まれる仕掛けがあること
2)個別化
メンバーの個性を認め、尊重すること
3)共通の目標
先の未来を一緒に考えること

という3点を挙げています。



もしヤバいと思う組織がいたら、今からでも遅くないのでこういうことを意識するといいと思う。
そして、リモートワークで課題になるのは、この1点目の「エネルギー」という部分。
物理的に側にいない中で、どう組織内の「エネルギー」を貯め続けていくのか。
これがここからの大きなイシューになるような気がします。

ちなみに、私が5年くらい前にオンラインMBAの開校を進めた際も、この「エネルギー問題」がイシューになりました。
つまり、「オンラインでは、コミュニティ内のエネルギーは落ちるんじゃないか」という懸念です。
でも、全然そんなことありませんから。やり方次第です。
対談でも越川さんが話されていましたが、スタンスは「習うより慣れろ」。
とりあえずやってみればできるようになるんです。

それから、もう一つ対談で明らかになったことは、評価制度問題
今までは「出社して頑張っている」ということが、評価の大半を占めていたのだけど、そこが評価の対象ではなくなります。
ではどう評価したらよいのか?
当然答えは「アウトプットによって評価せよ」ということなんだけど、そのハードルをクリアできない課長クラスが最大の抵抗勢力になるという話もありました。
今回、否応なしにリモートワークが導入されたような組織は、このような潜在的にあった評価問題も顕在化されていくのだと思います。

ただ、前向きに捉えるならば、これが良い機会となって「人」や「働き方」に関する本質的な議論が一気に進むことに繋がるかもしれません。
というか、そうしていかなきゃダメですね。

そんな可能性を感じる対談でもありました。

Voicyでの対談はこちらから

Day1
「大規模な行動実験がベースにある書籍」
「会議には心理的安全性が重要」



Day2
「ハード導入の前に、人間関係構築に目を向けよう」
「1番の抵抗勢力は課長職」



Day3
「制度が整わなくても、まずリモートワークに踏み切る」
「5年後の働き方を占う」