manabi design

連載中の「ビジネス名著探訪」、今回は古舘常介さんの『エネルギーをめぐる旅』について紹介させていただきました。
エネルギー論のみならず、私たちの生き方まで。とても奥行きのある本なので、どうやって紹介するか悩みました。この本の魅力を少しでも説明できていると嬉しいです。
***
しかし、私たちはこのスピードに慣れきってしまっている。「遅いことは悪だ」「変わらないことは悪だ」という価値観が内面化しすぎて、もはや疑うことすらできなくなっている。そんな私たちはどうすればいいのだろうか? 「量を追求する旅」「知を探究する旅」「心を探究する旅」の3つを経て、「旅の目的地」で示されるこの言葉はとても印象的だ。
「私たちの優秀な頭脳は、抽象的なことを扱うことができるという優れた才能を持っています。一方で、抽象的なことを扱えるがゆえに、しばしば実態から乖離したところに迷い込んでしまい、出口を見失ってしまうことがあります。出口を見失ったときは、具体的なものに回帰する。これが基本です。てっとり早く脳のリズムを調整するには、都度立ち止まって自らの身体の声を聞けばよいのです。」