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JBPressで連載中の「ビジネス書名著探訪」。
今回取り上げたのは、『問いの編集力』です。「問い」と言われてもピンとこない人にはぜひ読んでみてほしい一冊。

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私自身の過去を振り返ってみても、問いが生まれるようになってきたのは、やはり自分の中に違う「私」の存在感が増してからのことだ。
最初に組織人として出世していく過程で、合理的で論理的な「私」が急速に育っていった。自分の中で1人の「私」が強い勢力を伸ばしていた時期だ。そしてこの頃は「問い」とは無縁だった。しかし、そのフェーズを過ぎて、だんだん自分の中に違う「私」が育ってきた。たとえば、予定調和を嫌い、芸術家肌の「私」が頭角を表してきたのだ。そうなると、自分の中での「私」同士の対話の機会が増えてきて、この対話の中からたくさんの「問い」が生まれてきたのだ。今となっては、多数の異なる「私」たちが同居するようになり、その対話の結果、日々面白い「問い」の種が生まれるようになってきた。