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『反脆弱性』をイラストで理解しよう!〜イラストNo.63

反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』 
反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

「ブラックスワン」を書いたタレブの2012年の作品。
上下巻の大作、かつ「反脆弱性」という全くキャッチーさに欠けるタイトルで手に取りにくい作品なんだけど、実に知的刺激とエンタメ性に溢れた本。

かつてクリステンセンは、かの「イノベーションのジレンマ」にて、

「正しい意思決定をすればするほど、失敗する」

というジレンマをあぶり出し、多くの実務家を唸らせました。
この本はそれに通ずる新たなジレンマを示した作品といっても良いでしょう。
それは、

「不確実なものを確実にしようとすればするほど、脆くなる」

ということ。

そうなんです。
世の中、いろいろ確実にしたい。原因と結果が解るように仕組みを作りたい。
そう強く思います。
しかし、その結果が

「想定外のリスクが発生しまして・・・」

で撃沈、というヤツです。

ではどうすれば良いのか。
「この世の中のことはよく分からない」と正直に認めて、失敗を許容し、失敗しながら強くなるモデルを作れば良いのです。

この本を読めば、この時代における真の意味での強さというのが分かると思います。
企業も、そして個人も、入念に予想して怪我ない道を歩むより致命傷にならない程度の多様な失敗こそ大切なんですよね・・・。