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ビジネス書

『WHYから始めよ!』を読んでみた

WHYから始めよ!

TEDのスピーチで有名になったサイモン・シネックのメッセージの書籍版です。
2012年発売なので、ちょっと前なのですが、復習がてら手に取ってみました。

この本のメッセージを一言で言えと言われたら、

「大義(Why)こそが企業の競争優位性である」

ということでしょうか。

もう少し加えるなら、

「企業の活動内容や提供しているサービス(What)や、それを実現するための手法・プロセス(How)は、大義(Why)と一貫して初めて意味を持つ」

ということです。



言っていることは、すでに数百万回くらい言い尽くされていることなのですが、このメッセージがこれだけ注目されるのは、そのシンプルさと覚えやすさにあります。
「Whyを中心に、How、Whatという順番で考えろ」という「ゴールデンサークル」と銘打たれた図のわかりやすさが全て。



ビジョンとかミッション、パーパスとか目的とか、定義が異なる似たような言葉群をひっくるめて「Why」としてあえて雑に語ってしまうその潔さに、実務家たちは共感したのだと思います。

まー多分、この辺の研究をしているからしてみたら、「ちょっwww 雑すぎwww!」とか言いたくなるんだと思いますが、「あえてメッセージをそぎ落として抽象化した方が、多くの人の心を掴む」の法則ですね。
実際に、「正しいけど難解」なコンセプトより、「荒いけどわかりやすい」コンセプトの方が、実務家にとっての価値は高いですから。

さて、その上で。
この本を読みながらふと思ったことなのですが。

会社の余命を測る一つの材料として

「Whyの360度評価」

ってものをしてみるといいんじゃないかと思いました。

「この会社はなぜ存在するのでしょうか?この会社の大義はなんだと思いますか?」

という質問を、会社の関係者全員、つまり、トップ、ミドル、ボトム、そして取引先、顧客までを聞いてみるわけです。

結果として、
・存在意義や大義が書けない
・意味のない抽象語が飛び交っている
・言葉に大きなばらつきがある
みたいな感じになったら、「余命あと数年」みたいな感じになるわけですね(笑)

そして、言うまでもなく、これから成長する企業は、社員も外部からも、その答えがばらつきなく統一されているはず。
つまり、誰がみても、「何を成し遂げようとする会社なのか」ということがわかっているのです。

このアイディアは書籍には書いてなかったことですが、実際やってみたら面白いんじゃないかなと。
(どこか既にこんなサーベイを提供している会社があったりする?)

いずれにせよ、自分の会社、もしくは自分自身を見直すきっかけになると思います。
ゴールデンサークルって何?って言う人は、是非一読を。
もしくは、こちらのTEDでも。