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ビジネス書

『苦しかったときの話をしようか』を読んで

苦しかったときの話をしようか』

私には2人の息子たちがいますが、たまに思うんですよね。
この子供たちが人生の岐路に立った時、何か指針になるメッセージを残せないだろうか、と。
Voicyであったり、このブログも、「数十年後の子供たちに届きますように」という心の片隅で思っています。

この本は、そんな親としての森岡さんの思いが書籍になったもの。
マーケターとして著名な森岡さんならではの視点で、キャリア論が語られます。

「やりたいことが分からない時はどうしたらいいか?」
「面接で緊張しないためにはどうすべきか?」
「自分の強みはどうやって見つけるのか?」

そんな汎用的な悩みに対して森岡さんが答えるので、「これはいただき!」というヒントがたくさん転がっている本です。
ただ、そんな中でも、私自身がとても参考になったのは、この著書のタイトルにもある「苦しい時に自分自身をどう立て直すか」という話でした。



この本の中に、こんな一節があります。

「人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき。自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたときだ。」
「自分の価値を強く疑うとき、人は臆病になり、行動できなくなる。ガソリンが枯渇した車が動かないように、最低限の自信がないと人間も動けない。」


まさにこの通りだと思います。
自分自身のキャリアを振り返ってみても、このような「自己評価が極端に低いとき」ということは何度かありましたが、本当に辛かった。
幸いなことに、大ごとにならずに立ち直ることが出来ていますが、あの心境はもう二度と味わいたくありません。

しかし、忘れてはならないのは、このように「自己評価が極端に低くなる」ということは、誰でもどんな時にでも起きうる、ということです。
どれほど自信満々な人であっても、全体重をかけて出したパンチに対してカウンターを喰らえば、一発でノックアウトしてしまうことがあるんですよね。

たとえば、「検討を重ねて生み出した渾身の新サービスを立ち上げたものの、全く見向きもされなかった」、とか。
「予算を新たにつけてもらった研究にもかかわらず、全く成果が出せなかった」とか。

それまでが順風満帆だったとしても、一発で「自己否定の深い穴」に落ちちゃうことはよくあるんです。
そして、順風満帆だからこそ、その深い穴に落ちた時に、抜け出すことが難しい。
それは自分の過去のキャリアを考えてみても、そう思います。

だからこそ、キャリア形成においてとても大事なことは、ポジティブなこと以上に、このようなネガティブな「穴」からどう抜け出すか、ってことなのでしょう。
森岡さんが、この本に敢えてこういうタイトルを付けて、自分自身のネガティブな経験をさらけ出したことには、そんな意味があるのだと思います。

私自身も、これからも何度も「穴」に落ちるんでしょう。(嫌だけど仕方ない。)
その時は、この本にあるメッセージにちょっと救いを求めに来ようと思います。

※先日この本の紹介をVoicyでしましたが、その内容はこちらから。