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絵本

『ころべばいいのに』で負の感情との向き合い方を考える

ころべばいいのに』

ご存知ヨシタケシンスケさんの絵本の最新刊。
今回は、ネガティブな感情にどう向き合うか、ということがテーマです。
タイトルの「ころべばいいのに」というのは、キライな人に対して誰もが思ったことがあるはずの心の叫び。
こんな風に相手の不幸を願うような心境になった時にどうすればいいのか、ということを考えさせてくれます。ビジネスパーソンにも示唆のある深い内容です。
既にVoicyの番組で語ったのですが、その内容をテキストにも落としておきます。



さて、この絵本から僕が感じたメッセージは3つです。

1つ目は、「感情のメタ認知」の重要性。
つまり、自分の感情を高いところから客観視しようね、ということです。
ネガティブな感情に入ると、その感情に囚われてしまうのですが、そういう時ほど自分をどこか高いところから見つめる努力をしようねと。
この絵本の中でも、1人称で当事者の目線を描きつつ、後半には3人称の俯瞰的な目線に切り替わる描写があるのですが、チャンネルを切り替えるように目線を変えられるようになりたいですね。

2つ目は、「人の責任にせず、そうなってしまう仕組みに着目する」ということ。
何かイヤなことがあると、それを引き起こした人を責めてしまうのですが、結局その裏側には仕組みがあるはず。
人はその仕組みに操られているにすぎない・・・ってそんな見方をしてみれば、ネガティブな感情から少しは解放されるはずですよね。

最後は、そんな感情を持ちつつも、どう振る舞うかは自分が選択できる、ということ。
その仕組みに立ち向かってもいいし、逃げてもいい。
マッチョに立ち向かうことも必要だけど、特に「逃げる」とか「見なかったことにする」「聞かなかったことにする」ってことも常に大事な選択肢として持っておきたいですよね。
世の中には合理的でないこともたくさんあるから、イチイチそれに反応してたら身体がいくつあっても足りないし。

そんな優しくためになるメッセージを伝えてくれる絵本。
この梅雨時期、ちょっとネガティブ気味な人におススメの一冊です。

※守隨さんが絵本のプロモーション動画の存在を教えてくれたので貼り付けておく!