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映画『生きる』を観て

黒沢明監督の名作『生きる』を鑑賞しました。
言わずと知れた名作なので、ご覧になった方も多いかと思います。

語られるテーマは、「生と死」。
今まで無為に過ごしていた主人公が、死を宣告されたことから人生が輝き始める、というストーリーです。
ここで語られるのは、死生観の重要性。
死を明確に思い描くからこそ、生きている間に逆算で何をすべきかが考えられる、ということです。
このことは、ストーリーの最後にも、ウィットが効いた形で強調されます。
それは、主人公の葬式に立ち会った同僚たちが、「俺たちも頑張ろう、精一杯生き切ろう」という誓うのですが、翌日からは全く行動の変わらず覇気のない様子が映し出されるのです。
つまり、「死生観」なるものは、そんな簡単に得られるものじゃない、と。
目の前に広がる現実の引力は「死生観」のような抽象的なものをかき消してしまう引力があるものだ、と。
この描写には、私自身、ものすごく考えさせられました。
「生きる」ということを大前提に考えている私にとって、所詮「死生観」なんていうものはこの同僚たちのような口先だけのものにすぎないのだろうなと。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にやるだろうか?」
というのは、大病から復帰した後のスティーブ・ジョブズの言葉ですが、この言葉も、「死生観」に裏打ちされた深い言葉なのだと思います。
私にはこの言葉の持つ本当の意味が分かる日が来るのでしょうか・・・?
おそらく、その答えは今は出せないのでしょうが、少なくともラストシーンで見せる「ブランコに乗った主人公の表情」が出来るような仕事をやり遂げたい・・・そんな気持ちにさせられる作品でした。

多くのこと余韻を残す名映画です。是非。