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『サブスクリプション2.0』

サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル

最近、経営戦略の議論になると、必ず話題になるキーワード、「サブスクリプション」。

競争が激化する中で、よい商品やサービスを一発で開発する難易度がどんどん上がってきています。
そんな中、「一度作ったら後は売り切るだけ」というビジネスモデルはもはやリスク以外の何ものでもありません。
間に障壁を設けず、消費者とダイレクトに関係性を築き、「永遠のベータ版」としてフィードバックサイクルを回しながら改善を進めていく、そんなことが競争優位の本質となりつつあります。

その一つの仕組みとして注目されているのが、「サブスク」と言われるビジネスモデル。
「サブスク=月額課金制度」って捉えると、月極駐車場とか携帯電話の月額料金とか、古くから存在する話で別に珍しくありません。
しかし、最近はこの領域にメーカーが本気になって参入してきて、「シェア」や「個別カスタマイズ」という概念も加わって進化をしてきているのだ。



さて、前置きが長くなりましたが、この本はそのサブスクに関する各社の事例が「衣・食・住・動・楽」という業界区分で整理された書籍です。
献本いただいた本ですが、出版は6/21なのでもうちょい先ですね。

掲載されている事例はどれもどこかニュースで見たことある、みたいな話なんだけど、こうやって並べられるとサブスク化に向けたいくつかのポイントが見えてきます。

例えば価格設定のところ。ここはやっぱり一番重要なポイントです。
単に初期投資を分割した月額制ということではなく、利用状況を見ながら柔軟な料金設定を提示し、短期的な収益化ではなく「長期的な関係性」にプライオリティを置くべき、ということがわかります。

収益化という観点では、サブスクに向けて8億円の投資を行い、収益が出るまで3年耐えた、というストライプの事例も印象的。
収益管理はとてもわかりやすくなる、というのがサブスクの特徴でもありますが、まずは「LTV(顧客生涯価値)」を正確に予測することの重要性も理解できます。
LTVがわかれば「限界CPA(顧客獲得単価)」が算出でき、マーケティングコストを考えることができるわけです。
ただ、このLTVの算出を失敗して撤退したAOKIの事例なども掲載されていて、「サブスクの収益化」という難しさもよくわかります。
このAOKIのようにサブスクの失敗事例も掲載されているのもポイントで、実はそっちの方が勉強になったりする(笑)

ということで、「サブスクの成功事例・失敗事例のセミナー」みたいなものを1日かけて聞くよりは、こうやってまとまっている書籍を読むということは時間投資的に良いんじゃないかなと思います。

「サブスク」に真剣に取り組んでいる人はもちろんのこと、「サブスクって何?」って人も含めて気になる方は是非。