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映画・書籍レビュー

『0秒経営』を読んで、今の「モメンタム」を考える

0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方

今朝のVoicy「今日のフライヤー」コーナーで紹介した本書。
メガネスーパーのV字回復を描いた本書の要約を紹介したのですが、要約を自分で紹介しながら
「こんな厳しい業界でどうやって経営を立て直したの?」
「そもそも0秒経営って何よ?」
という好奇心を掻き立てられまして(笑)、実際に本を手に取って読んでみました。



いやー、ものすごく勉強になりましたよ。
負け癖のついた会社を立て直すために社長がどんなことをやったのか、ということが書かれているわけですが、
・データを把握する
・現場をしっかり回る
・社員の声を聞く、コミュニケーション頻度を増やす
・当たり前を疑う
・やることは即断即決する
・いきなり全部を変えようとせず、限られたところで試してから展開する
・指示は出さない、考えさせる
・多数決は取らずに合意形成を重視する
といったこと、ある意味経営に関わる基本動作的なことがわかりやすく書かれています。

そして、もちろんこの「基本動作」から学べることもたくさんあったのですが、私が個人的に感じたことは、「モメンタムをつかむ力」ということです。

かの有名な『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』という書籍の中で、「弾み車の概念」というものがあります。
何トンもある大きな弾み車。初めのうちは押しても押してもビクともしないが、少しずつ動かしていくとやがては大きな力で動き始める。
経営も大きな弾み車のように、いきなり大きく動くことはないが、同じことを続けていけばいずれかのタイミングで大きく動き出す。
・・・という概念です。
この概念で個人的に大切だと思っていることは、弾み車を大きく回すためにどこで大きな力を入れるか、ということ。
まだ動くタイミングでないのに大きく体重をかけても弾み車は回りません。
コツコツとやるべきことをやりつつも、ちょうど良いタイミング、つまり「モメンタム」を見極めた上で思いっきり体重をかける、という切り替えが大事なわけです。

そういう視点でこの本を見ると、最初の1年は地道に弾み車を押しながら、1年後の2014年6月に「我が社は眼鏡屋ではなく、アイケアカンパニーだ」と宣言し、弾み車に大きく体重をかけて動かしていることが分かります。
おそらくこのタイミングで宣言したからこそ、結果的にV字回復に繋がったのでしょう。
つまり、社員の準備段階も、そして顧客側の認知も見極めながら、勝負どころをを見誤らなかったわけですね。

ではどうやってモメンタムを見抜くのか?
その話はこの本では具体的に言語化されてはいません。
おそらく、当事者の視野に立たないと感じられない「潮目の変化」のようなものがあったのだと思います。

全ての物事には、「モメンタム」がある。
その一瞬を逃せば、できないことがある。
だからこそ、その一瞬を見逃してはならない。


この本を通じて、私はこんなメッセージを受け取りました。

そして、私自身はこの本を読むことを通じて、悶々としながら自分自身のことを振り返っています。
それは、

今、この一瞬を逃したら意味がなくなってしまう施策は何なのだろうか?
私の目の前にはどのような「モメンタム」が流れているのだろうか?


と。

そんなことに気づかせてくれた本でした。

おそらくこんな私自身の気付きはこの本の本題ではないと思いますが(笑)、経営や企業再生の基本動作が学べる貴重な題材だと思います。
おススメ。