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映画・書籍レビュー

『あなたの人生の意味』 〜『夜と霧』の二時限目として

同じ会社で長い期間過ごしているうちに仕事をこなすことが目的になっちゃったり、仕事そのものに社会的な意味を感じられなくなる瞬間って誰にでもあると思います。
よく分からないけど、心の奥底が「モヤモヤ」している状態。
別に志がどうとか、人生の使命がどうとか、そこまで大げさな話ではなくて、ちょっとした心の引っ掛かりを解消したい気持ちって誰でもあるんじゃないかなと。
そんなときこそ、敢えて心に大げさなど直球を投げ込んでみよう(笑)
タイトルがそのものズバリ、『あなたの人生の意味 』。



オリジナルタイトルは、『The Road To Character』ということで、「人格者への道」という意味でしょうか。
かの名著『夜と霧 』において、

生きる意味についての問いを180度方向転換することだ。
わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ。


という超絶深い全人類暗記必須の一節がありますが、まさにこの一節に対する理解を深めるための本と言えると思います。

この本には、こういう表現があります。

彼女は生きる目的を自分の中から見つけ出したわけではない。
彼女のような生き方では、「自分は人生で何を得たいと思うか」などと自分に問いかけることはない。
投げかける問いは「人生は私から何を得たいのか」に変わる。
「私のいるこの世界は、私に何をして欲しいのか」と問うのである。


これは、本書の第2章フランシス・パーキンズのストーリーから「天職」という言葉の意味を深めていく一節なのですが、彼女のストーリーを読むと、天職を見出していく過程、そしてフランクルが言うところの「問いの180度転換」の意味がよく分かると思います。

ややもすると「自分をいかに大きく見せるか」、「自分をどうブランディングしていくか」ということばかりに関心が向きがちな世の中ではありますが、ちょっと腰据えてこういう本もじっくり読んでみる必要があると思います。
文庫本では上下巻の大作で、在庫が少なくなっているようですが、kindle版であれば入手可能そうです。