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『世界はシステムで動く』〜『FACTFULNESS』の二時限目として

先日紹介した『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』。
僕の周囲では結構盛り上がっているようです。
翻訳者の上杉さんが、こんな形でNoteにまとめられていました。

さて、この書籍において、私たちのクセとして、「犯人捜し本能」というものが紹介されています。
「誰か犯人を仕立て上げれば全ての問題が解決する」、と思い込んでしまう思考の罠ですね。

書籍では、製薬業界の例があがっていました。
製薬業界の研究姿勢が気に入らない生徒がいるわけです。「もっと貧困層がかかる病気を研究しろ」と。
しかし、社長を犯人に仕立てても実はほとんど意味がないことに気づきます。株主の影響が大きいからです。
では誰が株主かといえば、退職年金を運用する年金機構であり、その資金の出し手は安定的な運用を考える自分の親だったりするわけです。
つまり、誰か明確な犯人がいるわけではなく、大抵の場合は「仕組みそのもの」。
したがって、私たちは「個別の事象」よりも「全体の仕組み」を理解する眼を持たなくてはならない、ということです。

こういった「仕組み」を理解し、そしてその仕組みのどこから手をつければいいのか、ということを考えるアプローチを「システム思考」とか「システムシンキング」と言います。

さて、そのシステム思考を理解するための良書はいくつかありますが、お薦めしたいのがこちらの本です。



この本では、システム全体を理解する考え方もさることながら、解決方法のヒントを提示してくれます。
本書では「レバレッジ・ポイント」という表現を使っていますが、その言葉の意味は、「ここを動かせばテコの作用のように小さな力で全体が動かせるポイント」ということです。
つまり、問題が発生してしまっている「仕組み」を把握して、「レバレッジ・ポイント」を見抜け、ということです。

しかし、この本にはこうも書かれています。

レバレッジ・ポイントは直観では理解できない。むしろ直観に反する。
したがって、レバレッジ・ポイントを提示しても、誰も信じてくれない。
そして、結果的には、システムをより悪化させる方向に努力してしまうのだ。


と。

この点は、『FACTFULNESS』にも似たような描写がいくつもありましたね。
ということで、『FACTFULNESS』で問題意識が高まった人は、二時限目の授業としてこの本も読んでおいて損はないと思います。