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経験からの学び

成長を止めた人の5つのサイン

研修講師などを通じて、いろんな企業内に入ってディスカッションをする機会があるのですが、一定階層以上の方で「あ、この人は成長を止めたんだなぁ」とを感じる人がいます。
その典型的なサインを5つほどまとめてみました。
あんまり構造化されていませんし、明確に検証した結果ではないので、まずは気軽に読み流してください(笑)

1.ビジネス書を全く読まない

まずわかりやすいのはこちら。
今はいろんな手段があるから、必ずしも本である必要はないというのはそのとおり。
最近は学習用動画とかいろいろなサービスもありますしね。
ただ、それでもなお、何かに対して真剣にチャレンジしよう、成長しようと思ったら本という手段はコストパフォーマンスの良いもののはず。
ビジネス書を全く読まない、ということは、「知的好奇心」が欠けている一つのサインだと思います。

ちなみに、先日とある大手企業の部長クラスの選抜研修で、「みなさん1ヶ月にどれくらいビジネス書を読みますか?」という質問をしたら、見事に全員が最初の「1冊も読まない」という選択肢で手を挙げられて驚きました。
「若者の書籍離れ」とか言われていますが、世代の問題ではありませんね。



2.抽象的なコンセプトを勢いよく語る。しかし具体的に語れない。

自分たちの会社の戦略の議論をしている時に、勢いよく
「やっぱりクラウド化を進めるべき!」とか
「全体最適を考えないとダメだよ!」
みたいな抽象度の高いキーワードを語り始める人がいます。
こういう場合の多くのケースでは、その言葉そのものは間違ってない。
でも本当の論点は「じゃあ具体的にどうするのか?」「いつからやるのか?」「どの程度リソース投入するのか」とか、「誰がやるのか」といった具体論。
それなのに、その先の論点については全く理解していないし、面倒臭いので考えようともしていない。
大きなコンセプトだけで乗り切ろうとしてしまう。
「コンセプトおじさん/おばさん」の傾向は、一つのサインでしょう。



3.質問にダイレクトに答えない。はぐらかす。時に笑いに逃げる

ではそういったコンセプトに対して具体的な質問を投げかけるとします。
「全体最適を考えるって、具体的に何を考えることなんでしょう?」と。
そうすると、この3番目の「はぐらかす」という特徴が出てきます。
すごいのは、この「はぐらかしスキル」が高いこと。
話題を巧みに変えたり、時に笑いまで昇華させたりすることで、「はぐらかした」という印象をうまく消し去るスキルを持っています。
結果的に議論は全く深まらないのですが、その場の空気を壊すことにはなりません。
成長を止めると、一方でこのような「逃げ」のスキルが高まっていく、というのはよくある傾向だと思います。



4.世の中の事象を深く理解せず、自分の経験の枠内だけで断定的に語る。

世の中を騒がす事件や他社の失敗事例を目にした時、その本質を理解するのは結構労力がかかるものです。
ニュースなどで断片的に語られることはありますが、そのまま鵜呑みするのは危険。
しかし、学びを止めてしまった人は、本質を理解しようと調べたり考えたりすることをしません。
それよりも、「それはけしからん!俺も昔は〜だったけど、そんなことはしなかった!」みたいな本質と離れた自分の経験を語り始めます。
「自分語り」も1つのサインですね。



5.新たな学びを与えられた時、素直に受け止めるように見える。しかし本質は流している。

最後のサインはちょっと見極めるのが難しいです。
例えば、研修などで新しい知見を学んだとします。その際は、「なるほど」というように聞いてくれている。
でも、翌日聞いてみると、何をやったかすら覚えていない。
つまり、学びの機会が、まるでエンタメを見るような感じで、「面白かった」で終わってしまう。
「学び」そのものを流しちゃっているんですね。
このような「学びがストック化されない」というのもあるあるだと思います。



ということで、過去のいろんな場面を思い出しながら、5つにまとめてみました。
こういう人たちに対して、「やっぱり学び続けるって面白い」って感じてもらうことが講師の役割でもあるので、それはそれで重要な仕事でもあるわけです。

そして、「そう言うお前はなんなんだ!」と言われないように、自分自身も戒めないとだめですね〜。